東京、パリと「炎上五輪」が続いた"根深い問題" 選手や運営への批判や誹謗中傷が止まらない背景
東京大会、パリ大会と経て、何が変わってしまったのだろう? 今後の五輪は、ロンドン大会のような“ソーシャリンピック”を取り戻すことができるのだろうか?
もともと五輪は批判が多いイベント
五輪は、高邁な理念に基づいて運営されている国際的、歴史的なイベントだが、その反動としてさまざまな批判、逆風にさらされてきた。
近年の五輪に関するネガティブな意見としては、下記のようなものが挙げられる。
パリ五輪に限らず、上記のような批判は多かれ少なかれ起きるものだが、今回はすべてが、継続的に起こっているように見える。
1については、開幕前から現地で五輪開催に対する反対運動が起こっており、直前にはTGV高速鉄道の施設が破壊されるという事態に見舞われている。日本においても、東大准教授の斎藤幸平氏がテレビ番組で「反五輪」を表明して、一定の支持を集めている。
2については、開会式の演出に対して批判が噴出、開催中も選手村に対する不満、トライアスロン会場に使われたセーヌ川の水質の問題が指摘されており、選手への対応の不備が問題視されている。
3については、ボクシング女子の“性別問題”による出場基準が大きな議論を呼んだ。また、女子体操の宮田笙子選手が未成年飲酒・喫煙で出場を辞退になったことは、賛否の議論を巻き起こした。
海外においても、馬術の英スター選手が馬を鞭でたたく「虐待動画」が流出し出場辞退に追い込まれている。さらには性犯罪歴のあるオランダのビーチバレー選手が出場して批判を浴びている。
柔道の試合では、“誤審疑惑”で話題になった永山竜樹選手の試合に限らず、判定の公平性について議論を呼んでいる。男子バスケットボール、男子バレーでも同様の問題が起こり、「誤審ピック」という造語がネットで流通するに至っている。開催国のフランスに有利な判定がなされているという批判も継続的に起きている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら