「世界から遅れている」日本の新薬開発3つの問題 コロナワクチンでも露呈、解決には何が必要か?

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4つ目は、薬の精度が上がることだ。どの患者にどの薬を使えばいいのか、治療効果の高い患者を見極めて、適切に薬を投与することで、精度を上げることができる。AI創薬は、1人ひとりに最適な医療を提供する個別化医療の実現にもつながる。

そして5つ目は、より精度高く薬を患者に用いることで、有害事象、副作用を減らせることである。薬に副作用はつきものだが、副作用を減らすことができれば、患者への負担は軽くなる。

呼吸器の病気で開発進める

こうしたAI創薬のメリットを用いて、伊藤氏は、特発性肺線維症だけでなく、ほかの呼吸器の病気(喘息、COPD、肺がん)についても、国と一丸となって開発を進める。

「実際にAIが導き出した“薬のたね”を、患者さんの元に薬として届けるためには、製薬企業による患者の医療情報の円滑な活用といった課題もあります。それらを乗り越えて、2030年頃には成功例を出したい」(伊藤氏)

今村 美都 医療福祉ライター

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いまむら みと / Mito Imamura

1978年、福岡県生まれ。がん患者・家族向けコミュニティサイト『ライフパレット』編集長を経て、2009年独立。がん・認知症・在宅・人生の最終章の医療などをメインテーマに医療福祉ライターとして活動。日本医学ジャーナリズム協会会員。

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