「やる気ない人」動かす"ニンジン"のぶら下げ方 松丸亮吾は「1日3時間の勉強」で東大に進学
岡田監督は、四球が相手投手に与えるダメージの大きさを重視していました。
そこで、フロントにかけ合って、「フォアボールはヒットを打ったのと同じ査定にする」ことを認めさせ、シーズンが開幕する前日の全体ミーティングで、選手たちにそれを告げたのです。
どんなにコーチから「ボール球に手を出すな」と言われても、「ヒットを打ってナンボ」と思っていたら、選手は自然とバットを振ってしまいます。しかし、四球がヒットと同等に評価されるというなら話は別。現金な話ですが、阪神の選手たちは、ガラリとボール球を見逃すようになったのです。
2位に11.5ゲーム差をつけて、ぶっちぎりの優勝
結果、タイガースは、相手ピッチャーから1シーズンで494個のフォアボールを獲得。他のセ・リーグ5球団の平均が364個ですから、その多さがわかります。四球でランナーが溜まることで、得点力も大きくアップしたというわけです。
もちろん、優勝した理由は他にもあります。しかし、フォアボールによって得点力がアップしたことで、もともと防御率がよかった投手陣との歯車が合い、他の5球団すべてに勝ち越します。結果として2位の広島カープに、11.5ゲーム差をつけるぶっちぎりの優勝につながったのです。
これ、言わばお金で釣るというニンジン作戦です。
なんだかんだ言って、昔も今も「お金」は、仕事のモチベーションアップに直結するもの。誰だって、同じ仕事で給料が20万円の会社と50万円の会社だったら、やる気が倍以上違いますよね。
アメリカのあるビジネスコンサルタントの例ですが、こんな話もあります。
リストにあるお客様へ次々に電話をかけていく、いわゆる電話営業の会社のコンサルを依頼されたときのこと。従業員たちは、電話で相手から断られることに辟易していて、電話の手が止まっている状態でした。
そんな、すっかりやる気をなくしていた従業員たちに向かって、この営業コンサルタントは次のように言います。
「午前中、最初に50人に断られた者に、最高級のランチをご馳走しよう」
これを聞いた従業員たちは大喜び! われ先に営業の電話をかけ始めます。そして、相手に断られると「やった、1人断られた!」「よし、また1人断られた」と、どんどんテンションが上がっていきました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら