特別支援学級の先生語る「子と親の対応」の苦悩 プライベートでも発達障がいの子供と向き合う

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発達障がいへの理解が必要なのは、通常学級に通うお子さんを持つ親御さんだけでなく、発達障がいがあるお子さんを抱えた親御さんにも言える話のようです。

保護者の中には一定数、特別支援学級に入れるのに抵抗がある人もいて、自分の子どもに『障がい者』というレッテルを貼られることを、恐れる場合もあります。

そうした親御さん自身も、自分に偏見があることを認めている場合が多いものの、自分の子がたんぽぽ学級にいること自体を受け入れられず、周囲の数名にしか言ってないという現実もあるようです。

たくさんの保護者が悩む事情

保護者自身が早く受け入れられて、特別支援学級で適切な指導ができると、その先の進路も早く見通しが立てられる一方で、それでも多くの親御さんが悩まれていると語る山田先生。

「特にたくさんの保護者の方が受け入れられずに悩んでいるのが、子どもに知的な遅れがない場合です。ASDや衝動性・多動性が見られる子は、必ずしも知的障がいが含まれないので、『たんぽぽ学級の子は勉強できるイメージがないので、私がたくさん勉強させます!』という親御さんもいます。

ただ、そうした子たちはコミュニケーションスキルが低いからグループワークができない場合もあり、通常学級の中に入ると、明らかに埋もれてしまってその子にとって適切な指導をすることが難しくなります。

実際に、特別支援学級で学んで、中学校から通常学級に通う子もいるのですが、大事なのは早めに手を打って、その子に応じた支援なり、居場所を作ってあげたりすることです。それはその子の人生において価値が高いことだと思っています」

山田先生は教育現場にいるからこそ、自身の子どもを特別支援学級に入れることにためらいはありませんでしたが、保護者が抵抗感を持つ気持ちもよくわかるそうです。

今でこそ、3男の特性を受け入れることができたものの、やはりほかの兄弟や、同年代の生徒と比べると「ほかの子どもにできることができない」ことに複雑な思いを持つこともあったようでした。

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