しかし、自身が知識として持っていたものと、現場で実際にほかの生徒と接している中で見えてきたことの乖離もあったそうです。
「特別支援学級の担任になった最初の年、私は2年生・3年生・4年生・5年生の生徒たちを指導しました。自閉的・情緒的に問題がある子たちでしたし、学力や発達の度合いも違うので大変だと感じました。
たとえば、もともとは国語の時間だったのですが、直前に時間割が変更になって、算数になったことを伝えると、『なんで!やだ!僕もう国語だったから!』と言う子もいます。急な予定の変更に対応しきれないのですね」
生徒に接する中で学び続ける
そうした生徒たちに触れるなかで、山田先生は答えやすい質問をするようになりました。
「質問の仕方を限定的にするようにしました。たとえば、自分の子どもに対しては『今日学校どうだった?』『外国語何した?』と聞くと、子どもには意味が伝わっていません。『どうってなに?』『何したって?』と聞かれるのです。
でも、『楽しかった?』『お友達と喋った?』と聞くと、『楽しかった!』『喋った!』と言ってくれるのです。『楽しかった?』と聞いた後も重要で、『どう答えたらいいんだろう?』と考えているときに『休み時間何したの?』といった補足はしないようにしています。
子どもは聞き流せず『次の質問が来た!』と、すべてを言葉通りにやらなきゃならないと思ってパニックになるのですね。言葉で気持ちを表現するのは難しいのですが、その子に合った対応の仕方を模索していくのが大事だと思います」
今でも自身の子どもと、生徒に接する中で学び続け、試行錯誤を続けている山田先生。多くの保護者の方が悩み、心配する発達障がいがある子どもの将来も、その子の特性に向き合って受け入れていくことが大事なのだと考えさせられました。
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