嬉々として「サービス残業」する部活顧問の深刻 「やりがい搾取」だけじゃない部活顧問の問題点

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「熱中部活」の顧問の中には、「やりがい搾取」という言葉に反発する人もいる。あるスポーツ部活の顧問はこう語る。

「日本のスポーツが、健全で優秀なアスリートをたくさん生み出すことができたのは、高校部活が、選手を基礎からしっかり指導してきたからだ。先生方が、文字通り心血を注いで、一生懸命指導してきたからだ。それを今になって『やりがい搾取』とか言って、余計なことをしていたように言うのはおかしいんじゃないか?

今、中学で部活の外部委託が進んでいる。高校の部活も変わるだろうが、外部委託の顧問は、我々みたいに熱心に指導しないだろうし、ビジネスライクだろうから、選手や親から『こんなはずじゃない』みたいな声が上がるんじゃないか?」

もっともな意見ではある。

変革が求められる部活

大事なことは、そうした部活顧問の「熱意」を、今後、改革が進む中学、高校の部活に取り入れることだろう。今の「部活指導」は、個人の熱意に依存することが多いが、これをノウハウとして共有する取り組みが必要だ。

そして顧問の先生から一方的に部活を取り上げるのではなく役割分担をすべきだろう。さらに言えば、そうした先生の熱意を「経済的な対価」に置き換えることも必要だ。

「部活」は日本独自の「教育文化」だった。その知恵を活かしつつ、変革していくことが求められているのだ。

学校だけでなく有識者や外部の知恵も借りて。これまでの部活の「ええとこどり」をしていく必要があるだろう。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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