嬉々として「サービス残業」する部活顧問の深刻 「やりがい搾取」だけじゃない部活顧問の問題点

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ある公立高校の部活顧問は、校舎の横にある小さな建物に筆者を案内した。中には様々なトレーニング機器がおかれてあって、生徒たちがトレーニングをしていた。

「ここにあるトレーニング機器は、私がボーナスで少しずつ買いそろえたものです。ボーナスシーズンになると、生徒とカタログを見て、『今度はこの機器を買おう』などと話し合って購入します。私学に負けない練習環境になっているんですよ」

筆者は思わず先生の顔を見て「でも公立だから、数年で転勤になりますよね?」と聞くと、「いや、その時は次の学校でも同じことをするだけですよ」と涼しい顔で言った。

教員の「趣味」や「道楽」になっている部活

確認したわけではないが、選手が遠征に使うマイクロバスを自腹で買った先生もいるという。これは本当にやりすぎだと思うが、部活顧問の先生が生徒のためにドリンクを買ったり、用具の補充をするなどの「自腹を切る」のは、多くの学校で容認されている。経費として請求しても「予算がない」と言われることも多いという。

こうなれば、もはや仕事でも職業でもない。「趣味」あるいは「道楽」と言うのがふさわしいのではないか。

新型コロナ禍で、部活の在り方はかなり変わったと思う。生徒と顧問が「リモート」でミーティングするなど、新しいコミュニケーションも生まれている。「やりがい搾取」も多少緩和されたのではないか、という声も聞こえる。

しかし、日本の部活の「やりがい搾取」は、あまりにも長く放置されていたために、一朝一夕で改善できるとは思えない。

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