「半世紀ぶり有人月面着陸」日米は何を目指すのか 動き出した「アルテミス計画」とはいったい何か
アルテミスⅡ:有人の月周回試験飛行(2025年9月予定) アルテミス計画初の有人ミッションです。宇宙飛行士4人が宇宙船オリオンに乗り込み、月周回軌道を飛行してさまざまな試験、実験をした後、地球に帰還します。
アルテミスⅢ:半世紀ぶりの月面着陸(2026年9月予定) アポロ計画以来、半世紀ぶりとなる有人月面着陸を目指します。宇宙飛行士4人が宇宙船オリオンに乗り込み、月周回軌道で待機している月着陸船と合流します。女性飛行士、非白人飛行士が月着陸船に乗り換え、月面に着陸します。 氷や土壌などの試料を採取し、月着陸船に乗って月周回軌道に戻ります。宇宙船オリオンと再合流し、地球に帰還します。
アルテミスⅣ:ゲートウェイ組み立て拡充(2028年予定) 月周回有人拠点「ゲートウェイ」拡充のためのミッションです。宇宙飛行士4人が宇宙船オリオンに乗り、ゲートウェイに欧州および日本製の国際居住棟「I‐HAB」を運びドッキングさせます。 4人のうち2人はゲートウェイで月着陸船に乗り換えて月面に着陸します。資源探査などをした後、月着陸船で月面からゲートウェイに戻ります。4人はゲートウェイから宇宙船オリオンに乗り込み、地球に帰還します。
アルテミスⅤ:月面探査車による月面活動拡充(2029年予定) 4人の飛行士が宇宙船オリオンに乗り、欧州製の燃料補給・通信モジュールとカナダ製ロボットシステム、月面探査車をゲートウェイに運びます。 アポロ計画では、合計12人が月面着陸を果たしましたが、全て米国の白人男性でした。アルテミス計画では、女性や米国以外の宇宙飛行士にも活躍の機会を提供する理念を掲げています。
日本が開発する月面探査車
日本はこの計画で、月面探査車を開発、提供します。JAXA主導のもと、トヨタが開発を進める「有人与圧ローバ」(愛称:ルナクルーザー)、および三菱重工が開発を進める月極域探査計画(LUPEX)向け「LUPEXローバ」の開発が進められています。
月は昼間に気温が120℃まで上がり、夜はマイナス170℃まで冷える過酷な環境です。アポロ計画で使われた探査車は運転席がむきだしで、宇宙飛行士は船外活動服を着用する必要がありました。
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