パワハラ指摘する部下におびえる上司の重大盲点 「寛容すぎる上司」は本当に評価が高いのか
例えば、部下の提案をすべて「OK」で受け入れてしまったら、何の指導もされなかった部下は改善や成長の機会を失い、人材が育たず組織としての生産性が下がります。また、努力や成果に関係なくどの部下にも平均的な評価をしていたら、頑張った部下ほどモチベーションが下がり、評価の公平性に不満を感じます。
優秀な部下であるほどやりがいを失い、早期退職につながったりもするでしょう。指導しすぎればパワハラの疑いをかけられ、寛大すぎても組織の業績に問題が起こるのですから、今の時代、上司に求められる能力や負担は計りしれません。
それでは、どうすればいいのか。まずはパワハラ問題ですが、ハラスメントと指導の違いを明確にして、部内で共有できるような環境の構築を目指すのがいいと思います。
同僚や部下との信頼関係は大事です。いざというときに、問題を当事者同士だけで解決しようとすれば、最悪の結果につながりかねません。周囲と意思の疎通が取れない状況だけは作らないようにしてください。事実関係を周りの人にも理解してもらえることが、パワハラの誤解を受けないための第一歩です。
ハラハラの原因を考えてみる
また、ハラハラについても考えてみましょう。ハラハラは許されないことではありますが、よほど部下の性格に問題があるなどでなければ、相手が自分を好ましく思っていない理由があるはずです。
パワハラを起こす人の共通点として、自分は悪くない、あれくらいは許容されるはずだと、無自覚に嫌悪感を抱かれる発言や行動をしている人も多いのです。まずはそういった落ち度がないか、胸に手を当てて考えてみましょう。
そのうえで、まったくパワハラの心当たりがないときは、安易に謝罪してハラスメントを認めないようにしましょう。ハラハラは被害者の主張が必ず通るわけではありません。訴えがハラスメントの平均的な感覚を逸脱していたり、周囲が事実関係を証明したりしてくれれば、パワハラと認められないこともあります。
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