「1浪東大合格後に京大受験」彼が驚く選択した訳 浪人して進学したもののアメフトに熱中し…

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彼は落ちた理由を「基礎をちゃんとやらず、ごまかしてやっていたこと」と「A判定が出て調子に乗ったこと」と分析します。

こうして後藤さんは、朝早い時間に予備校に行き、力を入れて勉強をする日々を送ります。特に、前年に気を抜いて基礎を怠った地理と化学の授業は絶対に出ないといけないと思い、熱心に受講しました。模試の結果もずっとA~Bで安定していたものの、慢心せずに1年間勉強をし続けました。

「メンタルがつらい時期もありましたが、そういうときは数学をやって心を整えていました。朝早い時間帯に数学をやることで、勉強のリズムを作ることができましたね。一度、模試で理科1類志望者の中の順位が9位になったこともあったのですが、油断したらダメだと思っていました。(不合格になった)3月の苦しみを思い出すことで、1年勉強し続けることができました」

こうしてこの年のセンター試験は、得点率92%を記録。油断せずに取り組んだ地理でも97点を取った後藤さんは、東京大学理科1類に加えて、中期で大阪府立大学(現・大阪公立大学)の工学部航空宇宙工学科、後期で東北大学の工学部機械知能・航空工学科に出願しました。

万全の体制で挑んだこともあり、この年は理科1類を受けた瞬間、合格を確信した後藤さん。去年落ちていたため合格発表までの日は不安だったようですが、無事受かっていたのを確認し、「俺でも行けるんやな」と安堵の気持ちで浪人生活を終えました。

アメフトにのめり込む日々の一方で…

無事、1浪で東京大学理科1類に進学することができた後藤さん。彼は浪人してよかったことを「人生をなめずに済んだこと」、頑張れた理由を「数学だけは東大レベルに達していると思えて、自信を持てたこと」とそれぞれ答えてくれました。

「現役で受かっていたら、確実に人生をなめていたと思います。浪人をしたことで、人生をなめなくなりました」

東京大学に入ってからの後藤さんは、今まで水泳はやっていたものの、高校までいつも体育の成績が非常に悪かったことから、陸上の運動は自分には全然できないんだとコンプレックスを感じていました。そんな折に様々なタイプの人が活躍できるアメフトに出会い、そのまま深くのめりこんでいきました。

濱井正吾 浪人 東京大学 京都大学
アメフトに熱中していた後藤さん(写真:後藤さん提供)

「東大のキャンパスでアメフト部が勧誘をしているテントにつかまって、『お前なら絶対いけるよ!』って乗せられたんです。このまま東大で勉強だけするというのもおもんないなぁという思いもあったので、試しに入ってみたんです。

すると、あまりの面白さに全然勉強しなくなってアメフトばかりする生活になってしまい、いちばん簡単な1年生の最初の定期試験で、進振り(進学振り分け)で進みたかった工学部航空宇宙工学科に到底進めないような点数を取ってしまいました。1年生の最初のテストでこんな点数取ったら、今後どんな点数取っても(挽回は)無理やし、アメフトに集中するかという気分になりました」

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