「いつも機嫌がいい人」組織にもたらす意外な効能 「揺らがず囚われず」の心の状態が変革を生む

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わたしが、この人間の習性を説明するためにいつも引用する事例がある。みなさんは目玉焼きには何をかけるだろうか? 塩? 醤油? ソース? マヨネーズ? 味噌? バルサミコ? ケチャップ? かけない? みなさん、それぞれだと思うが、いつも同じではないだろうか? 毎日、変えている人はほとんどいないはずだ。

わたしは醤油で、いつも醤油だ。妻がある朝、気をきかせて目玉焼きにケチャップをかけていると、わたしは「なんでケチャップなわけ? 醤油に決まっているでしょ!」と、食べることもせずに変化を拒絶する。わたしは目玉焼きにすら変革を起こさずに残りの人生をすごしてしまうのだ(笑)。恐ろしい。

きっと過去の何かの経験で醤油が美味しかったから、以来わたしの「普通」がたったそれだけでできあがって固定化されているのだ。気づけば、目玉焼きにはいつも同じ、醤油なのだ。こういったことがさまざまなことで自分を固定化して変革を阻害している。

変化の激しい時代、「機嫌がいい」人が生き残る

自分の「普通」や「常識」が過去のいい経験で起こるとすれば、ビジネスの世界ではこのことが無茶苦茶いろいろな場面で変革を邪魔していることになる。変革したくても組織の中に過去の成功事例をもって無意識に固定化されていることが少なくない。これまではこれでうまくいったから、前にこれで成功したから、という成功体験を会社の意思決定者ほどたくさん抱えている場合が多いのだ。

ビジネス界の常識や過去の成功体験のない「機嫌がいい」新人が、思わぬアイディアを出して変革のきっかけをつくることもあるだろう。ビジネスの世界では、囚われの少ないフローな「機嫌がいい」人財(「人的資本」の考えにもとづき「人財」という表記にしている)を増やしていくことが成長と変革に強い組織につながることは間違いない。

たとえば、みなさん、考えてほしい。「機嫌がいい」を失い、「機嫌が悪い」ときはチャレンジしにくいはずだし、新しいことをはじめにくいのではないだろうか? 「機嫌が悪い」は、固定概念の檻の中に人を閉じ込めているのと一緒だからだ。

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