「いつも機嫌がいい人」組織にもたらす意外な効能 「揺らがず囚われず」の心の状態が変革を生む
「内容」の「何を」するのかを、わたしたちは四六時中考え続けて実践している。「何を」という「内容」のない瞬間は、つまり、何もしていないという時間はないのだ。もしあるとすれば、それは死んでいるときだ。生きている限り、この「何を」が仕事やビジネスの中心だと思って生きているはず。
「何を」が中心でも間違っていないのだが、それでは「質」を無視していることになる。どんな瞬間も、「何を」やっていても、それは人間のパフォーマンスである限り、心の状態が存在していて、それが「質」を決めているのだということを忘れてはならない。
機嫌が悪いと、仕事の「質」が下がってしまう
「どんな心の状態」なのかを分析すると、結局は何かに揺らいで囚われている「機嫌が悪い」状態か、揺らがず囚われずの「機嫌がいい」状態か、しかないのだ。程度の差はあるが、「何を」していても、みなそのとき「どんな心の状態」でそれをしているのかが「質」を決めているのだ。
言わずもがな、「機嫌が悪い」ほうに心が傾いていれば、「何を」していても「質」は下がるのだ。これもまた例外などない。それがいけないとかダメだとかルール違反だとかではなく、そのような人間の仕組みだということ。ビジネスをするにはそれを肝に銘じる必要がある。
オレは私は、イライラするとパフォーマンスがよくなるという人などいないだろう。不安のまま1日をすごすと、その日は終日パフォーマンスが上がったというような人は仕組み上存在しないのだ。「何を」するのかだけに注力して、心の状態が乱れたまま「質」の悪いパフォーマンスを展開している人が少なくない。ビジネスでも、もちろん例外ではないのだ。
ビジネスは、とかくストレスを感じ、不機嫌になるのが通例だ。なぜなら、結果を出さないといけないし、まわりの友だちじゃない人たち、上司、部下、同期、そしてお客さんやクライアントと接しなければならないからだ。
さらに、結果を出すために、やらなければならないことは多々あり、やるべきことがわからないことも少なからずある。わたしが慶應病院で医者をしていたころもまさにこの状態で、スーパーストレスを感じていて、不機嫌な状態の真っただ中だったことを思い出す。本稿を読んでいる多くの人もその例外ではないはずだ。
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