中央道・高井戸IC近く「ナゾのトンネル」何のため 歴史を紐解き見えてきた「団地との深い関係」
なお、補助219号線については、松葉通りより西側の整備は行われたものの、烏山北住宅内の整備は行われず、現在に至るまで道路建設の具体的な計画や予定は出ていない。
建設から約50年、今後の風景はどう変わるか
烏山シェルターを巡る動きを追うと、元々はコミュニケーションの不備から始まり、高まる環境保護意識を背景として住民運動が盛り上がったことがわかる。そして計画を修正し、なんとか作った「着地点」がシェルター建設だったということだろう。
もちろん、その間にはさまざまなやりとりがあったとはいえ、最終的にはじっくりと話し合ったうえで地域住民にも周辺地域にもできるだけ影響を与えないようにという考えでシェルター建設が行われたということも見えてきたのではないだろうか。
現在、烏山北住宅は入居開始から約60年が経過し、建てかえ時期を迎えている。世田谷区では2022年に烏山北住宅のある北烏山2・3丁目地区の地区計画を策定した。
その中には烏山シェルター近くへの広場の新設が含まれている。また、現在着工の予定はないが、都市計画道路についても計画そのものは現在も残っているのが地区計画からうかがえる。
隣接自治体では、さらなる高速道路ネットワーク拡充への動きが進む。杉並区では中央自動車道建設時には工事が行われなかった高井戸インターチェンジ下り線入り口の新設に向けた動きも始まっているほか、三鷹市では東京外かく環状道路(外環)のジャンクション建設も行われている。
今後の新たなインフラ整備は烏山北住宅の景色も大きく変えていくのかもしれない。その際には団地と高速道路というインフラの交差地における、よりよい環境が構築されていることを期待したい。
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