中央道・高井戸IC近く「ナゾのトンネル」何のため 歴史を紐解き見えてきた「団地との深い関係」
東京から西へ向かい、標高1000メートルの高地を経由して名古屋近郊の小牧市へと至る中央自動車道。日本の物流、人流の動脈として日本の経済を支えている。
その中央自動車道に不思議な「トンネル」がある。場所は東京側の起点、高井戸インターチェンジのすぐ近くで、東京都心側から走っていくと、インターチェンジを過ぎた先の左カーブに現れるのがその「トンネル」だ。
中は一般的なトンネルのような半円ではなく、箱の中を走っているようだ。その形もさることながら、何よりも不思議なのは周囲にトンネルを作らなくてはいけないような大きな丘や山は見あたらない。では、いったいなぜ、このトンネルはあるのだろうか。
「トンネル」に隣接する「団地」
まずは「トンネル」がある場所に一般道からアプローチしてみよう。
「トンネル」があるのは世田谷区の北西の北烏山2丁目と3丁目の間。京王電鉄京王線の千歳烏山駅と京王電鉄井の頭線の久我山駅の中間に位置しているが、「トンネル」を近くで見ると、高架の上に道路を覆い隠すように作られていることがわかる。
いわゆる山岳トンネルとはまったく異なる構造だ。トンネルの正式名称は「烏山シェルター」という。全長は約245メートル。シェルターの下には公園のような空間が目立つ。
周辺には住宅街が広がるだけで、東名高速道路の大和トンネルのように、周囲に飛行場などの施設もなければ、ゴルフ場など高速道路上に物が飛んでいきそうな施設もない。
ただ、シェルターに隣接しているのが住宅団地というのが1つ大きな特徴だ。シェルターを挟むように、南北に5階建ての住棟が南北に立ち並ぶ。
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