中央道・高井戸IC近く「ナゾのトンネル」何のため 歴史を紐解き見えてきた「団地との深い関係」
もう1つのポイントは中央自動車道と共に都市計画道路補助219号線(以下、補助219号線)が高架下に建設される計画だったことだ。
補助219号線は、中央に中央自動車道の高架14.5メートル、高架を挟んでそれぞれ片側2車線・幅員6.5メートルの車道と4.25メートルの植樹帯および歩道を設けるという計画であった。
すると、団地の住棟から歩道までは最も狭いところでわずか1.4メートル、車道までは5.65メートルしかない。このため住棟と補助219号線が近すぎる、片側2車線の道路が団地を横切る形になることに対し、団地の分断が起き、交通事故が増加するという強い懸念があった。
こうした背景事情もあり、烏山道対協側は騒音対策を中心とした「住環境保全」を東京都や日本道路公団に求め、住民運動を展開していくこととなる。
また、そこには既に建設が進み、開業区間もある中央自動車道の建設に対し、「通さない」という主張では理解が得にくいという考えもあったという。
"話し合い"で解決を模索した都と道路公団
「住環境保全」を求める烏山道対協に対し、東京都や日本道路公団は話し合いによる解決を模索し、一時的な工事の中止を決定する。そして隣接する杉並区の高井戸地区と共に850メートルの工事中止区間が現れることとなった。
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