「人を動かす力」ない上司は信頼失墜の厳しい現実 かつては上司の言うことは絶対、でも今は違う

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そのときと同じ姿勢で部下に接してみるのはいかがでしょうか。

「自分は上司だからリスペクトされるべき」といったプライドは脇に置き、相手が誰であろうと、本気で他人を自分の力で動かそうと思ったら、どんな風に声をかけ、どんな風に話をし、どんな風に相手をフォローアップするのかを考えてみませんか。

「成長承認」で部下が動く

最後に、相手を動機づけ、動かすために、具体的な承認方法をひとつお伝えします。

承認には3種類あります。

これまでの記事でもお伝えしました、存在承認、結果承認。そして、これに加えて成長承認があります(相手の存在を認めるという存在承認の中に、いわゆる「ほめる」と称される結果承認も、そしてこの成長承認も含まれます)。

部下を動機づけ、動かすことできる人は、この3つ目の成長承認がとてもうまいようです。

端的に言えば「成長承認」とは、成長のプロセスをしっかりと目でとらえ、認識し、それを相手に伝えることです。まずは、部下がどのように成長したいと考えているのか、目標は何なのかをしっかり把握しましょう。

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そして、その成長目標に向けての進捗具合、例えば今週はどこまで目標に近づいたのかという評価を、明快に言葉で伝えましょう。

何も、ほめる必要はありません。ただ、先週に比べてどうか、という成長の具合を伝えればいいのです。もちろんマイナスを示しても構いません。

大切なのは、部下の成長をしっかり追い伴走している、というアピールです。人は自分の成長に心から伴走してくれる人を信頼します。そして、そういう伴走者がいることで、未来に向けての成長意欲が維持されます。

成長承認を意識し、伝えることができれば、「何のための1on1なんだろう?」など、部下に陰で言われることもなくなるのでないでしょうか。

鈴木 義幸 コーチ・エィ代表取締役 社長執行役員

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すずき よしゆき / Yoshiyuki Suzuki

慶應義塾大学文学部人間関係学科社会学専攻卒業。株式会社マッキャンエリクソン博報堂(現株式会社マッキャンエリクソン)に勤務後、渡米。ミドルテネシー州立大学大学院臨床心理学専攻修士課程を修了。帰国後、有限会社コーチ・トゥエンティワン(のち株式会社化)の設立に携わる。2001年、法人事業部の分社化による株式会社コーチ・エィ設立と同時に、取締役副社長に就任。2007年1月、取締役社長就任。2018年1月より現職。

 

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