“最高の部下”だったはずなのに
時間の使い方の問題で懲戒免職になった部下の事例を順を追って見ていこう。とても難しい状況だが、似たような状況は起こりうる。
あなたはコンサルティング会社に勤務しており、直属の部下のケリーは経営者へのコーチングを担当していた。
顧客のオフィスを訪問して、上級役員へのマンツーマンのコーチング、マネジメント能力向上の支援、プロジェクト遂行のアドバイスなどをするのが仕事だ。
顧客からの評価は常に上々で、引っ張りだこだった。あなたにとっても、最高の部下のひとりだった。
だが、状況は一変する。継続顧客からのケリーの評価が下がったのだ。新規顧客も同様だ。ケリーはかつては5分か10分の休憩を取っていたが、ランチ以外に1時間の休憩を1日に何度もとるようになったという。
数週間にわたってこうした苦情が相次いだため、ケリーを呼び出して、苦情について話すことにした。
「クライアントである経営者を放置していなくなるなんて、あなた自身もうちの会社もプロフェッショナルではないと思われてしまうよ。
相手はあなたのコーチングを受けるために多額の費用を出している。しかも忙しい経営者がわざわざスケジュールをあけて待ってくれているんだよ」と伝えた。