ケリーは「そんなに長い休憩をとっているはずはない」ときっぱり否定した。
あなたは、仕事関連だろうがプライベートだろうが、ケリーの抱えている問題が解決できればと、何とか話し合おうと頑張ったが、ケリーは「私は完璧にやっている、そんな長時間の休憩などとっていない」と言い張った。
そこであなたは行動計画を立てた。クライアントに5分か10分の休憩を申し出る際(ケリーは喫煙者だ)には、時計を見て、今の時間と戻る時間を伝えるようにさせたのだ。
これで解決だと思うだろう。そうはいかなかった。顧客からの苦情は続いた。そこで何度もケリーと話し合ったが、何も好転しない。会社の経費で外部カウンセラーを利用することも提案したが、拒絶された。
態度は改善されず、あなたはケリーに最後のチャンスとして「あと1回、同じ苦情を受けたら解雇する」と伝えた。苦情はいくつも届き、解雇が決まった。
この事例をマネジメント能力の欠如による失敗だと考える人も多いが、そうではない。どんな問題でもマネジャーの対応次第で解決できるわけではない。
この事例では、状況を修復するために、手は尽くしている。問題行動を毎回指摘し、どんなことでも打ち明けられるよう尽力し、改善のための行動計画を作って実行させ、変わるチャンスを何度も与えた。
どれもうまくいかなかったので、最終手段として、かつて非常に優秀だった部下を解雇するしかなかったのだ。
体臭が不快、デリケートな問題への対処
勤務中の時間の使い方については、他にも問題は起こるだろう。部下がインターネットで仕事と関係ないことを延々やっている、ランチ休憩が長すぎる、予定をすっぽかす、などだ。
言うまでもないが、あなたは過剰に労働者を締め上げるべきではないし、誰でも何かしら問題を抱えることはある。重要なのは、あなたや会社がマネジメントする上で問題となる常習犯をしっかり取り締まることだ。
上司が対処に苦しむ問題として、個人の衛生問題が挙げられる。たとえば、自分の部署にいる若い女性従業員の体臭が不快であるとする。同僚たちがひどいことを言っており、さらには彼女を避けるようになった。
業務上、彼女とは頻繁にコミュニケーションをとる必要があるのに、これは看過できない。体臭が業務上の課題になっているのだ。