「できる社員」から「新任マネジャー」へのステップアップは、多くの人が想像する以上に大きな変化です。十分な経験やトレーニングを積まないままに取り組むと、せっかくの昇格が試練の連続になりかねません。
たとえば「問題のある部下をどうマネジメントするか」も難しい課題でしょう。ローレン・B・ベルカー氏らの著書『マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識』から一部を抜粋し、私生活や態度に難のある部下のマネジメントについて考えます。
私生活の問題への介入
部下の中には、私的な問題のせいで勤怠や業績が悪化する人も出てくる。アルコールや家庭の問題などはマネジャーの仕事とは無関係だと思っているなら、それは甘い。
ただし、マネジャーだからといってどんな問題でも解決できるわけはない。こうした問題に対処すべく、従業員支援プログラムを用意している先進的な企業もある。
よほどの大企業を除いては、社外のサポート機関と連携する形になる。こうした従業員支援プログラムには専門職が関わっており、地元の支援団体などについての知見もある。
従業員の私的な問題をすべてマネジャーの自分が解決できると考えるのは馬鹿げている。自分の専門性を超えた問題に対応しようとして、状況を悪化させてしまうリスクがある。
マネジメント業務として適切な範囲から逸脱しないことも、マネジャーの責任だ。部下の個人的な問題にかまけて、業務目標の達成に支障をきたしてはならない。人助けは崇高ではあるが、あなたは支援のプロではない。
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