「人を動かす力」ない上司は信頼失墜の厳しい現実 かつては上司の言うことは絶対、でも今は違う

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さらに同じ年に入社した「同期」という絆も、社員が長く会社にとどまることをバックアップしていたように思います。かつては「今やめると、将来同期会に呼ばれないよ」などという言葉が、社員を会社に留める言葉になっていたと聞いたことがあります。

そして、そもそも社会の中に、ひとつの会社で一生懸命がんばり、いつか昇進してお給料を増やし、良い生活をするのがいいことだ、という通念が存在していました。

つまり、社員が一つの会社にとどまり一生懸命働くということは、かなりの程度、企業とそれを取り巻く社会の仕組みが支えていたわけです。

そのためマネジャーが1on1で部下とじっくり向き合ったり、日頃から声をかけたりしなくても部下が離職するようなことは、今よりも少なかったように感じます。

総体としてみれば、マネジャーが部下の行動促進に寄与する割合は、実は2割ぐらいしかなかったのかもしれません(もちろん会社ごと、ケースバイケースですが)。

ところが、今は、1人の社員の社内への定着や目標に向けての行動促進を、かつてのようには企業の仕組みが支えていません。よって、マネジャーは、自分の力で部下を動かさなければいけないのです。

もちろん「会社がどのようなビジョンを社員に共有しているか」「給与制度がどういうものか」など、社員のモチベーションに影響を与えるものはほかにもあります。

しかし「マネジャーの関わり」という変数は、部下の行動、モチベーションに対して、かつて以上に大きな影響を与えるものとなっています。特にマネジャーは、部下との1対1の関係の中で、部下を動かす能力がこれまで以上に求められるようになっているのです。

さて、1対1で相手を動かそうと思えば、まずは相手と信頼関係をつくり、相手との間に魅力的なビジョンを構築し、相手がリスクをとって一歩踏み出せるように後押しする必要があります。

要するに、これを部下に対して高いレベルで実践しなければいけないわけです。

「セクハラ」と言われるのが怖い?

信頼関係をつくるためには、アクノレッジは絶大な効力を発揮しますから、まずは、部下にアクノレッジしましょう、となります。

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