「四季報丸写し」が会社員人生に与える驚きの変化 300社やれば絶大な効果を発揮
「四季報書き写し」を始めた理由
ーー山川さんは『会社四季報』の内容をスプレッドシートに書き写す「四季報写経」を提唱しています。四季報を書き写すことで得られる効能について教えてください。
私は大学院を卒業後、横河ヒューレット・パッカード(現在の日本HP)に入社しました。そこで半導体計測装置の研究開発をやるはずが、瞬く間に日米半導体摩擦の煽りを受け、半導体不況になってしまいました。いくつかの部署を転々としてUNIXコンピュータのシステムエンジニア(SE)になった後、ボストン コンサルティング グループ(BCG)に転職。その後ドリームインキュベータの創業に参画し、社長を務めていました。
四季報の書き写しを始めたのは横河ヒューレット・パッカード時代です。UNIXのSE職に異動後、とにかく暇でした。なぜ暇かというと、当時のUNIXマシンは市場に出たばかりで、信頼性が薄く、たいして仕事がありませんでした。
今はSEの皆さんは大変忙しいですが、当時は大型コンピューターからダウンサイジングと称してUNIXマシンが出現し、値段が100分の1とか1000分の1ぐらいにまでなっていました。何十億円もする大型コンピューターには、SEのコストもセットでついていましたが、ここまで安くなってしまうとSEのコストを負担できなくなってしまったのです。
何もしてないと、給与泥棒扱いされ評価も下がるので、「ちゃんと仕事を取ってこい」って上層部から言われるわけです。まだ26〜28歳ですから、サービス対価で仕事なんか取れるわけありません。一度も営業なんてしたことがありません。そんなこと言うなら、部長や課長が仕事とってきて見本を見せろ!といつも文句を言っていました。かなりめんどくさい社員だったと思います。
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