「四季報丸写し」が会社員人生に与える驚きの変化 300社やれば絶大な効果を発揮

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どこの会社が過去に何をやったのか、それはうまくいったのか、結局ダメだったとか。そういうことが『会社四季報』のコメント欄に書かれています。コメント欄に書かれていることは記者の皆さんが取材をした内容。その取材の蓄積を入力することで、自分自身の地頭の栄養分になったわけです。

これが本当に効きました。ハイテク専門だったんですけど、情報、通信、金融、消費財、エンターテインメント。当時どの分野でもオールマイティでコンサルティングをできたのは、『会社四季報』が10年分くらい頭に入っていたからです。

ーーそこで、「四季報写経」を部下にも勧め始めた。

BCGの時はあまり言わなかったのですが、ドリームインキュベータに移ってからは言い始めました。絶対に『会社四季報』を覚えたほうがいいよと。

当時、若手社員は仮説やフレームワークを論じている本を読んでいましたが、頭の中にデータがなければ、いくら仮説本を読んでも使い方がわかりません。データを先に頭に入れちゃったほうがいいよ、というのが私の考えでした。みんな地頭はすこぶる良いのだから、そこにデータという栄養分を与えれば仮説がバンバン出てくるようになる。良質なインプットをすることが大切、ということです。

でも、当時は写経とはいわずに「四季報を丸暗記しなさい」って言っていました。この言い方がよくなかったかもしれません。覚えるなんて無理!ということでほぼ誰もやる人はいなかったようです。

「四季報写経」のムーブメントは急拡大中

それがすっかり変わったのは、平田智基さんや四季報写経ウーマンさんがSNSなどを通じて四季報写経の効能を説くようになってからです。

テンプレートも用意してあるのでハードルがガーンと下がりました。これまで20年以上、私がいろいろ騒いでも誰もやらなかったのに、今現在は500人ぐらいの人があちらこちらで『会社四季報』を写経し出すというムーブメントが始まりました。

四季報写経の中心メンバー。中央が平田智基さん(イーストベンチャーズ勤務)、左が四季報写経ウーマンさん。平田さんは山川さんのnoteの記事を読んで、四季報写経を開始。「日本のGDPを引き上げるために四季報を配る」という活動を行っている。四季報写経ウーマンさんは平田さんから四季報をもらって四季報写経を始めた(撮影:尾形文繁)

ーー最初にイベントを行ったのは?

昨年夏に平田君から「山川さん、8月の真夏の日曜日に『四季報』の勉強会をやるので来てください」と言われて顔を出しました。どうせ3人か4人ぐらいで、ピザでも食べながらやるのかなと思っていたら、150人ぐらい来場するというではないですか。驚きました。本当に集まっていたんです。

みんな黙々と『会社四季報』を持ってきて写経するという、もう見たことのないような光景が繰り広げられていて、不思議な光景でした。

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