自立とは自ら行動することですが、そのためには初めに「心」が動く必要があります。心とは、いわゆる「やる気」のことです。
ダラダラしている子に向かって「ちゃんとしなさい」「ダラダラしないの!」「気合、根性、努力が足りない」と言うことは簡単です。しかし、そのような言葉で子どもがやる気になることは、まずありえません。精神論的話や、具体性の欠けた言葉かけでは子どもの心に響かないため、行動もしません。
自発的に行動するためには、次の3つのいずれかの要素が必要になります。
習慣になってしまえば、人は努力しないで自発的に行動できるようになります。しかし、問題は「どのように習慣化させるのか」ということです。習慣化に至る前に続かないということが少なくありません。
面白く、楽しいことは子どもでなくても大人も自ら行動します。サッカーが好きな子は公園にボールを蹴りにいくでしょうし、YouTubeが好きな子は自ら動画を見る行動を取ります。これらは「やりなさい」と言う必要がありません。しかし、親が子どもに望む、勉強や生活習慣上のあれこれなどは、面白くないし、楽しくもないため自らやるようにならないことが一般的です。
成長実感があれば、自らやる可能性は高まります。ゲームにはそれが見事に仕掛けられています。自分の成長レベルが数字やステージ、アイテムによって「見える化」されているわけです。スポーツも伸びている感覚がすれば、もっとやりたいという気持ちも芽生えます。しかし、勉強や生活習慣にはそれがありません。
つまり、親が求める子どもへの自立は、たいてい子どもにとっては「習慣化していないもの」「面白くないもの」「成長実感がないもの」です。それでは、いつまでも親が考える理想像からかけ離れたままであることも頷けます。
逆転の発想で自立状態をつくる
しかし、ここで逆転発想してみます。以上の3つの要素を勉強や生活習慣など、親が期待することに取り入れてしまえば自立状態になるという発想です。
実は、以上の3要素は連動しており、最も重要な項目が、「③伸びている感覚がする」です。この感覚が出てくると、「②面白い、楽しい」感覚が出てきて、さらに「①習慣化」します。実際、子どもたちはゲームに仕組まれた“成長している”という実感から、“面白さ”を感じ、結果として毎日やるようになることで“習慣化“しています。
では、この原理を使って夏休みの子ども自立モデルを作っていきます。このモデルであれば、子どももワクワクしながらやるようになりますし、親も一々指示、命令をする必要はなくなります。
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