そこで筆者が開発した「子ども手帳」モデルを基に説明していきます。
「子ども手帳」とは次のような仕組みになっています。
②終わったら赤ペンで消す
③消した分はポイントに変わる(事前に「△△=◯ポイント」と各項目を親子で設定)
④ポイントは累積で貯め、日々成長の「見える化」が数字で表示される
⑤成長しかないため、面白さを感じ、自発的に行動する
⑥面白さを感じると継続率が高くなるため、習慣化していく
という極めて単純な仕組みです。ポイントという数字を利用していることから、別名「ポイント手帳」ともいいます。
実物の「子ども手帳」を使わずとも、ノートで自作することや、ホワイトボードで行っても構いません。
子どもが自分で自分を管理していく
この仕組みのゴールは、「習慣化」です。やるのが当たり前という状態にしてしまうためのツールです。習慣化ができたら、手帳はもはや不要です。実際に使ってみるとわかりますが、子どもたちはかなりの確率で“乗って”きます。しかし忘れてはいけないことは、このモデルは子どもが自分で自分を管理していくモデルであり、親が子どもを管理するためのモデルではないということです。親が管理していると、それは自立ではなくなります。
なお、子ども手帳の使い方について、注意点がいくつかあります。実践されてみたい場合は過去記事(ダラダラする夏休みが激変!「子ども手帳」の威力)をご覧ください。
さて、この仕組みだけで、自立(自ら行動)と自律(自分でコントロール)の両立ができるようになりますが、では夏休み中に「具体的に何をしたら自立できるのか?」について一つの提案をしておきます。
一般的な小学生の場合、夏休みは、学校の課題と、塾や習い事をしていれば、その宿題などをやります。勉強面ではそれ以外にドリルや問題集を親が買ってきてやらせることもあります。またキャンプや自然体験、旅行など非日常体験をすることもあるでしょう。これらは子どもの成長につながるものであり、大切なことだと思いますが、自立につながる活動として筆者は、「家事」を推奨しています。
家事といえば、料理、掃除、洗濯など家にまつわる諸々の活動です。通常は親が行っています。しかし、夏休みは学校に行っている平常と比べて子どもたちにはたくさんの時間があります。そこで、家事をやってもらうのです。
しかし、家事の「手伝い」ではありません。家事の一部を「役割として担当」するということです。
手伝いと役割分担の違いを象徴する話があります。
夫婦で子育てをしている場面で、奥さんが夫に対して、子育てを一緒にやってほしいと希望し、夫に「もっと子育てをやってほしい」と言います。しかし、夫は子育てをすでにしているという自覚があり、「やっている」と答えます。なぜ、このような認識ギャップが起こるのでしょうか。
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