なぜ目の動きを速くしても本の速読できないのか 必要な情報をできるだけ早く、頭に叩き込む方法

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(画像:『スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長が教える脳が一生忘れないインプット術』より)

目が、ある言葉を凝視して次の言葉に移るまでは0.25秒かかります。その時間の大半である0.15~0.20秒は、脳から指令が出て目が動くまでの時間なので、目を速く動かすことでは縮めることができない時間ということになります。

そしてもちろん、脳が目に指令を送るのにかかる時間は、目の筋肉をどれだけ鍛えたところで変わるはずもありません。つまり、いくら目の動きを速めても、指令にかかる0.15~0.20秒は縮めることができないのです。

ということは、たかだか0.25秒の凝視を0.15秒にするのが限界ということになります。

したがって、目を動かす速さのトレーニングをいくら頑張っても、読書の速さは2倍にさえならず、通常の10倍や15倍の速読は不可能なのです。

読書中の8割は文字を見ていない

読むスピードを大きく左右しているのは、目の動きのスピードではなく、目から入ってくる文字情報を、脳が解釈するスピードです。

人が黙読しているときの視線を、コンピュータで詳細に追跡すると、読書中のほとんどの時間、目は文字を見ていないことがわかりました。

読書をしているとき、目を使って新しい文字情報をインプットしている時間は読書時間のごく一部で、読書時間のおよそ8割は、脳が言葉の意味を理解するのに費やされているということになります。

ようするに、読書の鍵は目の動かし方ではなく、脳の理解力が8割なのです。

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