なぜ目の動きを速くしても本の速読できないのか 必要な情報をできるだけ早く、頭に叩き込む方法

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(画像:『スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長が教える 脳が一生忘れないインプット術』より)

その周りの傍中心窩やその周辺になると、字がどんどんぼやけていき、4度を超える周中心窩では主に明暗の判断しかできなくなってしまいます。

こうした目のメカニズムのため、目を動かさずに、パッと認識できる文字数は非常に少なく、通常の本の文字のサイズで、英語のアルファベットだと17~19文字ほどです。

つまり、パッと見だけで、1ページ全体に書いてある全ての文字を一気に認識して脳に焼き付けることは不可能なのです。人間の視覚のメカニズムの限界により、どう頑張ってもそんなことはできません。

目の動きを速くする意味は?

また、目の動きを速くすることでも、速読は不可能です。実際に私たちの読書中の目の動きを分析してみると、一つ一つの言葉ごとに、目の動きがほんの少しだけ止まっていることがわかります。つまり、私たちの目は「凝視してから次に動く」を繰り返しているのです。

私たちの目がそのように凝視と移動を繰り返しながら、正しい順序で一つ一つ言葉をインプットしていくことで、文章全体の内容の認識が生まれるのです。

これを踏まえたうえで、言葉を認識する脳と文字イメージを取り込む目が、神経を通して忙しくシグナルをやりとりしている様子をイメージしてください。

(画像:『スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長が教える 脳が一生忘れないインプット術』)

まず、目を通して文字から得られた言葉の視覚イメージが脳に送られます。そして、脳からは目に対して「動く」「止まる」などの指令が送られます。

しかし、その指令は神経を通じて行われるので、時間がかかります。脳から指令が出て目が動くまでの時間は、読書中の場合、平均0.15~0.20秒です。

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