社内政治に強い人は、数字をこう使っている こんな目標無理!と思ったときにどう言うか
「上司の目線で考えていないから」
ひと言でいうとこういうことです。
同じ「土俵」で交渉しているか
この上司は、何の根拠もなく10億円という目標設定をしようとしているわけではありません。営業部門全体で20億円という目標を、何らかのロジックで4つの課に配分しているはずです。そう、部長には部長の考えがあるのです。
にもかかわらず、自分の課の都合だけで「10億円は無理」と発言するこの課長は、まさしく自分の課のことしか考えていません。
これでは、調整がうまくいくとは思えません。つまり、このような局面で課長がしなければならないことは、部長の気持ちになって考える。すなわち、部長と同じ土俵で調整を図ることです。たとえばこのようなやり方はいかがでしょう。
まず、4つの課をこの課長(1課の課長とします)なりの根拠をもとに「比」で表現し、その数字で部全体の目標値も分配します。実は、課は4つありますが、そのうちの半数の人員が1課にいました。この部長は各課の人数比で配分を決めていたのです。具体的にやってみます。
たとえば部長は(図1)のような考えによる配分だったとしましょう。
部長「だから、1課は10億円で頼む!」
ならば、1課の課長も「配分」というロジックで調整を図る必要があります。そうでなければ、いつまでたっても2人の議論はかみ合いません。
たとえば従業員比ではなく、各課で年間かけているコストの比で配分してみるべきではないかと交渉してみましょう。コストで考えて、4:3:2:1だったとします。
それを根拠に、20億円の予算目標についても4:3:2:1に分配するべきだと交渉するのです(図2)。
課長「でもこう考えれば1課は8億円が妥当です」
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