社内政治に強い人は、数字をこう使っている

こんな目標無理!と思ったときにどう言うか

自身の理論だけで、業務をすすめていませんか?(写真:わたなべ りょう/PIXTA)
ヒラのプレーヤーから課長になると、業務の効率化や目標設定、チームの戦略策定、部下育成など、仕事で数字に向き合う場面が格段に増えます。しかし、数字に苦手意識を持つ人は少なくないのではないでしょうか。
この連載では、「数字スキル」トレーニングの専門コンサルタントとして、企業内研修や公開セミナーで4000人以上を指導してきた『「数字に強い課長」になるための仕事のコツ』(KADOKAWA)の著者が、学生時代に数学が苦手だった課長でも明日からすぐに使える、数字の見方と使い方のコツを紹介します。

前回:出世する人は、「算数」をうまく使っている

 ケーススタディから考える、できる課長の数字活用

30代になると、課長など管理職の仕事を担う人が増えてきます。そこで多くの人が悩むのが、立場や利害の異なる人との「調整」かもしれません。上司の意見と現場の意見の調整。利害の異なる他部署との調整。課長とはさまざまな「調整」が必要なポジションなのです。

筆者の経験から、できる課長は、そうした場面で「数字」をうまく活用していることが多いと思います。いったいどういうことか? ケーススタディで考えてみましょう。

<問題>

営業部門の中に4つの課があり、あなたはそのうち1つの課を預かる課長です。部長から来年度は10億円でやってくれと打診されたが、正直、達成できる自信はなく、できれば9億円に下方修正したい。部長とどう調整を図る?ちなみにこの営業部門全体の目標値は20億円。この部長は、各課の人員数比で来年度の配分を決めているようです。

 

「あるある」という声が聞こえてきそうなケースですね。私にもかつて企業でマネジャーだったころに、似た経験を何度もしました。 

まず、やってはいけないのは次のような調整です。

「正直、10億円は厳しいと思います。私としては現実的なシナリオは8億円と考えていますので、目標は9億円でお願いできませんでしょうか」

誰もが考える、調整ロジックですね。今日も日本のどこかで、このような会話が繰り広げられていることでしょう。

しかし、このような課長の発言に対し、すぐに了承する部長などはたしているのかどうか、大いに疑問です。つまり、端的に申し上げるなら、この交渉はまったくイケていないということです。なぜこの調整は何がいけないのでしょう。

次ページ上司には上司のロジックがある
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