球団担当者は、この施設の意義を次のように説明する。
「昨年から帝京大学スポーツ医科学センター所属のドクターや理学療法士などの一流の医療スタッフが、選手の診断からリハビリトレーニングの復帰、ケガの予防まで一貫したプログラムでサポートする体制が実現したのですが、今年はさらにクリニックを球場が見える隣接した場所に構えました。
これまでは試合中などにケガが発生した場合、都内の病院に選手たちを搬送していましたが、今年からは程度によってはこのクリニックで診察、処置をすることが可能になります。また、ケガの状態をこのクリニックで診断機材を使って知ることができるので、病院に搬送するにしても的確な判断ができます。
診療時間は設定していますが、ベルーナドームで主催試合がある日は、選手たちは診療時間などにかかわらず診察や検査を受けられるような体制を敷きます」
ビジターチームの選手も利用できる
「すぐにドクターに見てもらえる環境が整うことは、選手にとってかなり心強いサポートになるのではと考えています。もちろんビジターチームの選手でも必要があればクリニックを利用することが可能です。
スポーツ医療では、診断治療からその後のリハビリトレーニングという各プロセスにおいて、競技に復帰するための必要な方針などが情報共有されず、適切な治療が受けられなかったり、治療に長い時間がかかったりしてしまうという課題があるとされます。
このクリニックでは、ドクターによる診断、治療から競技や生活の復帰に向けたリハビリやトレーニング、さらにそこからの予防も同じ施設内でサポートできるというのが大きな特色です」
さらに、2番目の意義として「地域医療への貢献」があるという。
「埼玉西武ライオンズを支えるチームドクターや理学療法士がプロスポーツの現場で培った多くの知見や経験をプロのアスリートだけでなく地域の皆様へも提供することで、地域医療にも貢献できると考えています。
スポーツ界ではケガが原因で競技への復帰を断念したり、無理をしてさらに体を痛めてしまうような事例が見られます。特にお子さんの成長期に、まだ身体が出来上がっていないタイミングで無理な形でスポーツを続けると、その後の生活に影響が出ることもあります。そうした障害を防ぐことにも間接的に貢献できるのではないかと考えています」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら