独立した個人とその財産権を核とした啓蒙思想家ジョン・ロックのリベラリズム思想が、唯一の政治思想として君臨している。それがアメリカの思想史だと説く本書は1955年に原著が出版された。だが、やがてロックだけでなく、「共和主義」の伝統をより広くたどってアメリカを捉え直そうとする思潮が優勢になっていき、ルイ・ハーツは「単純すぎる」と批判を浴びることになる。
本書の描く「リベラルな伝統」
それでも、2025年8月に逝ったアメリカ外交史研究の第一人者、西崎文子はあえて本書の新訳を最後の仕事とした。16年のトランプ大統領当選、さらには民主社会主義者サンダース上院議員の政界での躍進は、本書を見直す大きな契機になったのではないだろうか。ポピュリズムと呼ばれる政治潮流が左右に生じ、両者に挟撃されているのが、本書の描く「リベラルな伝統」なのである。




















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