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〈書評〉『革命の時代 1600年から現在までの進歩と反動』『帝国陸軍 デモクラシーとの相剋』『極秘文書が明かす戦後日本外交』

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ブックレビュー『今週の3冊』

[Book Review 今週のラインナップ]

・『革命の時代 1600年から現在までの進歩と反動』

・『帝国陸軍 デモクラシーとの相剋』

・『極秘文書が明かす戦後日本外交 歴代首相の決断に迫る』

『革命の時代 1600年から現在までの進歩と反動』ファリード・ザカリア 著、松本剛史 訳
『革命の時代 1600年から現在までの進歩と反動』ファリード・ザカリア 著、松本剛史 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

新たなテクノロジーが生まれれば、所得の分配構造も人々のアイデンティティも変化し、既存の政治体制は揺らぎ始める。本書は、近代以降の400年を「技術」「経済」「アイデンティティ」の3軸で整理し、人類の進歩と反動のダイナミクスを描いたものだ。17世紀以降の世界を1つの大きな物語としてまとめ、その延長線上で、現代におけるポピュリズムや権威主義の台頭の意味を探る。

権威主義、ポピュリズムは 新自由主義に対する反動革命

東洋経済オンラインの愛読者に読んでほしい本を一気に紹介。【土曜日更新】

文化戦争などを題材に、アイデンティティというテーマを深く掘り下げたのが本書の特色だ。グローバリゼーションやデジタル革命がもたらす価値観の衝突に着目し、アメリカのトランプ現象をはじめ各国での右派台頭を説明する。今起こっているのは民主主義の危機ではなく、変化に対応できない既存体制の危機であることも見えてくる。

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