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〈書評〉『技術安全保障 科学とイノベーションは平和のために何ができるか』『きれいはいまもゆれている』『日本のすごい先端科学技術』

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『今週の3冊』

[Book Review 今週のラインナップ]

・『技術安全保障 科学とイノベーションは平和のために何ができるか』

・『きれいはいまもゆれている 外見・身体・アイデンティティの交差点』

・『未来を見通すビジネス教養 日本のすごい先端科学技術』

『技術安全保障 科学とイノベーションは平和のために何ができるか』山本晃平 著(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌大輔

一貫して、本書は「技術によって戦争を遠ざける方策」を議論している。著者が問題提起するとおり、優れた技術を戦闘で活用する方法は議論されても、平和のためにどう生かすかという観点では議論されてこなかった。

技術でどう戦争を抑止できるか 安全保障を学際的に議論する

東洋経済オンラインの愛読者に読んでほしい本を一気に紹介。【土曜日更新】

現実的な脅威として戦争や大国間競争が存在する今、「すごい技術を創ればよい」というほど状況は単純ではない。「どのような技術でどのように戦争を抑止できるか」が重要性を増している。

サプライチェーンのチョークポイントとなる重要技術を保有すれば、有事の際、輸出管理を通じて敵国を牽制できる。もしくは、敵国がそのような重要技術を保有していても、友好国から迂回調達する手段が存在したり、代替手段が自国か友好国に存在したりすれば、やはり敵国の脅威を牽制できる。

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