自ら「異端」をもって任じる英米文学研究者が、「自己啓発本」の本質に迫り、解剖する、異色の書である。
「自己啓発本」は出版界にあって今や一大ジャンル、巨大な市場だ。しかし、そうした現象が見られるのはアメリカと日本だけだという。しかし、なぜこの2国だけが?
それは2つの条件、すなわち「出世しようと思えば出世できる環境」と「出世したいと思う人が大勢いること」が日米にそろっているためだ、というのが著者の見立てだ。
自助努力系から引き寄せ系まで
18世紀後半、「建国の父」として名高いベンジャミン・フランクリンが著した『フランクリン自伝』を世界初の自己啓発本と定義する。節制、沈黙、規律、決断……と続く13の徳目が記された書は、立身出世の秘訣を人々に明示する本の先駆けだったと見る。
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