歴史には謎が多い。米国との無謀な戦争になぜ踏み切ったのかは、日本近代史の大きな謎の1つだ。一般には「統帥権の独立」という制度がその原因だとされている。
明治憲法で定められた「統帥権」とは、軍を指揮する天皇大権である。当時は、軍を指揮する軍令機関の長が天皇を輔弼(ほひつ)(補佐)した。軍事は専門領域だということで、首相も関与できなかった。これが統帥権の独立である。
「特殊専門意識」の暴走
統帥権の独立の問題が近年の学界で注目されているのは、「統帥権の独立が日本を誤らせた」という説への疑義が出されているからである。
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