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トルコのクルド労働者党が解散と武装解除を決定、エルドアン政権にとって「より良いトルコ」を建設する歴史的なチャンス到来

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トルコのエルドアン大統領。(写真:ブルームバーグ)

世界で最も長く続いた武装反乱は、突然終わりを告げた。

クルド労働者党(PKK)は、トルコ政府を標的にした最初の攻撃を指揮してから約40年後の5月12日、解散と武装解除を決定した。この決定は、トルコのみならず中東全体にとっての転換点となる。

チェコ・プラハに本拠を置く国際的NPO「プロジェクト・シンジケート」は多くの有力者の論評・分析を配信しています。「グローバルアイ」では、主に同シンジケートのコラムの中から厳選して翻訳・配信しています。

PKKは1970年代後半に、現在は収監されているアブドラ・エカランによって創設されて以来、独立したクルド人国家を樹立するという目標に突き動かされてきた。

しかし、国内外のいくつかの要因により、PKKの指導者たちは暴力を放棄するよう説得されたようだ。

その理由は国内の政治情勢、国際的な動きなどから説明できる。

国会で親クルド派がキャスティングボード

まずは国内の政治情勢である。つまり、クルド人開放を進めるためにはトルコ憲法を改正するか、早期選挙法案を支持するよう議会を説得する方法を見つけなければならない。いずれにせよ、成功を収めるには、公正発展党(AKP)と極右の民族運動党(MHP)からなる連立与党が提供できる以上の支持を確保する必要がある。

そこでカギを握るのが、トルコ第3の政党である親クルド派の人民平等・民主主義党(DEM)である。DEMはキャスティングボードを持っている。憲法改正のための議会活動にDEMを参加させることによって、トルコのクルド人は政治的・文化的権利を強化することを目的とした「クルド開放」への道を開いた。その見返りは、PKKの解体とトルコ国家に対するテロ活動の終結だった。

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