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〈書評〉『たとえば「自由」はリバティか』『戦中派 死の淵に立たされた青春とその後』『未完の名宰相 松平定信』

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ブックレビュー『今週の3冊』

[Book Review 今週のラインナップ]

・『たとえば「自由」はリバティか 西洋の基礎概念とその翻訳語をめぐる6つの講義』

・『戦中派 死の淵に立たされた青春とその後』

・『未完の名宰相 松平定信』

『たとえば「自由」はリバティか 西洋の基礎概念とその翻訳語をめぐる6つの講義』渡辺 浩 著(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・神戸大学教授 砂原庸介

政治思想史の碩学が分析 原語と訳語のニュアンスの違い

グローバル化が進む世界で、私たちは国家を超えた規範を共有するようになっている。個人の自由、社会的な権利、公共サービス、プライバシー、それらを取り巻く法といった概念は、規範を形づくる重要な要素だ。このような概念をめぐって──たとえば「自由」をかけて──紛争が生じることさえあるし、国内の民主主義体制を考えるうえでも不可欠のものである。

東洋経済オンラインの愛読者に読んでほしい本を一気に紹介。【土曜日更新】

しかし、西洋を発祥とする概念は、現代日本に生きる私たちに本当に「共有」されているのだろうか。本書では、日本政治思想史の碩学(せきがく)が、英仏独語を中心とする西洋の古典や、漢字を共有する漢籍を縦横に駆使しながら、この問いに答えていく。分析の対象となるのは、自由、権利、法、自然、公/私、社会、といった、現在の日本で私たちが日常的に使う概念である。

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