当連載ではPTAにまつわるナゾを取り上げてきました。問題の根っこにあるのは、本当に必要かどうかわからない仕事が多く、やりたくない人まで全員に参加を“強制する”力が働いていること。個人の事情は考慮されず、平日昼間に絶対参加を求められたりするため、働くお母さんなどから悲鳴が上がっている状況はこれまでお伝えしてきたとおりです。
これと極めて似た問題を抱える“日本的組織”が、「自治会」や「町内会」といったもの(どちらも中身は同じ)。全国津々浦々、戸建ての地域だけでなく、マンションなどの集合住宅にも存在する組織です。
自治会もPTAと同様、大変独特でナゾな団体です。会社や趣味のサークルなどとはまったく別の道理で動いていますし、具体的にどんな仕事をしているのか傍目には非常にわかりづらい。参加の強制が起こりやすく、一部の人の負担が極めて大きいという点でも、PTAと似ています。
PTAは“子どものため”の活動なので参加を断りにくい面がありますが、自治会もまた距離の取り方が難しい団体です。隣近所みんなが構成員なので、人間関係を考えると足並みを乱しづらいところがあるからです。
そこで今回は番外編として、この「町内会のナゾ」に迫ってみたいと思います。
“全員加入”がタテマエの任意団体
「町内会」の仕事内容は、会によってまちまちです。夜間の町内パトロールや清掃活動、草取り等をしているところもあれば、お祭りなどのイベントや、資源回収のような活動をするところもあります。あまり知られていませんが、「街灯の管理や設置」という仕事も自治会が担っている場合が少なくありません。
会員間の情報共有は、主に「回覧板」で行われます。住民へのお知らせ(地域のイベント、市からの連絡等)をはさんだクリップボードを隣家へまわしていくという懐かしい連絡スタイルは、今も健在です。
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