将来のリーダー候補にもなっていた優秀なAさんの、役員からの評価はダダ下がり。役員を巻き込んでいる手前、直属の上司にもこの件を共有せざるを得なく、上司からのAさんを見る目が厳しいものになってしまった。
ここでAさん自身、奮起して、挽回できればよかったが、この一件以来、自信をなくしてしまったのか、その後も満足な成果を出せていない。あれから10年が経つ今も“鳴かず飛ばず”で、昇進できていないと聞く。
男女間のもつれをSNSで暴露され
続いてのケースは、私がベンチャー企業で人事部長をしていたときのことだ。
ある日、広報部の担当者から「うちの社員CさんがX(旧Twitter)で炎上している」と報告が入り、急いでチェックすると、Cさんについて名指しで書かれている投稿があった。
それは、Cさんと関係のあった女性からのもので、「Cからこんな仕打ちを受けた」と、男女間での出来事を暴露するような内容だった。しかもご丁寧に、「〇〇社の社員C」と、うちの会社名まで書かれており、とんだ風評被害になりかねない事態になった。
会社としてもこれ以上、人目にさらされては困る。人事担当含め、広報部の担当者で急きょヒアリングの場を設けた。
CさんはSNSで暴露されていることをそこで初めて知り、慌てふためいている様子。
そして沈痛な面持ちで、「女性とは婚活アプリで知り合い、合意のもと関係を持ったが、その直後に不誠実な別れ方をしてしまった。おそらくそれに激昂した女性が思い余ってSNSにアップしたのだろう」と打ち明けた。詳しいことは言えないらしく、ときどき口ごもる。
本人曰く「急ぎ、女性と連絡をとり、投稿を削除してもらいます」とのこと。当人同士での解決が難しい場合は、弁護士に相談することも視野に入れつつ対処に臨んでもらうと、投稿は即座に削除された。
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