バブルは崩壊して初めてバブルとわかる、というのは間違いである。バブルの最中は、バブルとわかっているから、バブルが終わる前にゲームに参加して儲けるだけ儲けておく、という投資家がバブルを作るのだ。これによりバブルは予想外に持続する。そして最後は値動きが荒く乱高下しながら、持ちこたえたか、と思った瞬間に、誰もが売っておかねば、というイベントが発生して崩壊する。バブルは終わりが崩壊という絵であることが始めからわかっているゲームなのだ。
株価維持政策をとっても、中国のバブルは結局崩れる
さて、ギリシャ問題が騒がしいが、上海ではバブルの崩壊が始まっている。バブル崩壊の第2ステージか、最終章かは、今後の動き次第であるが、昨年末から半年で2倍になったのだから、約30%の暴落も、バブル崩壊が始まれば当然の下落だ。
当局があからさまな株価維持政策を取ってきた、というのは、日本の経験からすると、さらに売り方がバブル崩壊で儲けるチャンスを増やすだけだ。そこへいくと中国の場合は、少し様相が違うかもしれないが、それでも結局バブルは崩れていくはずだ。
ここで議論するのは、このバブル崩壊が、日本や世界にどのような影響を与えるかだ。少なくとも、ギリシャの経済破綻よりは圧倒的に影響が大きいことは確実だが(ギリシャの世界への影響はほぼゼロであるから)、日本株もこれにつれて暴落となるだろうか。
私は、中国だけの影響であれば、限定的だと思う。その理由は、「ファイナンシャルコンテイジョン(financial contagion)と言われる金融危機の伝染、連鎖が起きないからである。
ではなぜ、連鎖的な暴落が起きないか。暴落が伝染しないのか。それは、伝染するメカニズムが、今回は存在しないからである。では、伝染するメカニズムとは何か。
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