それは、投資家自身である。
投資家が損を出す。慌てて売る。しかし、大きな損失を被る。個人であれば信用買いの損失を埋めるために、機関投資家であれば、顧客の引き出しの現金を確保するために、利益が残っている他の市場の金融商品を売る。財務的に追い込まれることにより、投資家が売るから、その追い込まれた投資家が持っている金融商品は値下がりし、暴落が伝染することになるのである。
これが次の資産価格の暴落を招き、そこで損をした投資家が次の金融商品を売り、暴落を伝染させる。これにより、暴落は連鎖し、世界株式同時安、株、債券、不動産、トリプル安となるのである。
ライブドアは個人、リーマンは機関投資家が引き金
例えば、2006年初のライブドアショックの時は、最初に、新興銘柄、ネット関連で、個人投資家がバブルゲームで信用買いを膨らませていた銘柄が暴落の連鎖となり、信用の担保価値が急減し、追い証も払えず、投げ売りとなり、投げ売りが投げ売りを呼んだ。こうして新興市場は崩壊し、この影響を受けて大型株も、個人の持ち株の割合の高いものほど大きく下落したのである。
2008年9月に起きたリーマンショックでは、もちろん、機関投資家が現金を求めた。プロが売りまくったから、プロのものから暴落していった。
複雑な金融商品は取引が成り立たないから、暴落しようにも値がつかず、むしろ、サブプライムとは無縁の国際優良大型株が、流動性が高く、現金化しやすいから、また、まだ暴落が始まっていないから、ということで激しく売られ、暴落した。
これにより、個人投資家も傷つき、伝染は個人投資家をも巻き込んだ。しかし、個人投資家の多くは、それ以前に、FXで大きな損を出していた。2007年8月のパリバショック以来、円高に転換しており、ほとんどのFX個人投資家は外貨買いをしていたので、大きな損失を被っていた。よって、ここで個人の損失から、それがさらに暴落を拡大する影響は小さかった。あくまで、外資系機関投資家の売りで市場は大混乱し、J―REITは大暴落したのである。
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