日本株はギリシャ問題深刻化でどうなるか ギリシャ二転三転で近づくデフォルト
6月の第4週は、日本株のみならず、欧米株も含めてギリシャ情勢を巡る「から騒ぎ」の感が強かったが、週末の27日になって同国のチプラス首相が7月5日(日)に国民投票を実施すると表明した。ギリシャ議会は紛糾しているが、ユーロ圏財務相会合は、当面ギリシャ向け支援を打ち切る方針を打ち出した。
終わっていなかったギリシャ問題
今一度直近のギリシャ情勢を振り返ってみよう。チプラス首相は、6月21日(日)に新しい財政改善案を提出したと報じられ、一気にギリシャへの財政支援交渉が進展するとの期待が広がった。これにより日米欧主要国の株価が上昇、特に日経平均株価は6月23日(火)に381円も上昇し、24日(水)も続伸してついに2000年のITバブル時の高値2万0833円を抜いた。
そもそも、遠いギリシャについての好材料を、日本株が大いに好感した、というところからして行き過ぎ感が大いに漂うわけだが、実はこの間、筆者の友人でもある有力欧州政治ウォッチャーは「市場がここまで浮かれるのは全く理解できない。すでにギリシャを巡る問題が全て解決したかのような『から騒ぎ』だ。EU等の債権者側は、このギリシャ案ではまだ大いに不足だ。今後の交渉の行方はそう簡単には進むまい」と懸念を示していた。
結果としては、浮かれた市場よりも、欧州ウォッチャーの方が正しかったと言える。6月22日(月)のユーロ圏緊急首脳会議では事態を進展させることができず、25日(木)~26日(金)のEU首脳会議前に形を作るため、24日(水)にユーロ圏財務相会合が、急きょ開催された。当初は、ここでじっくりと時間をかけて協議するものと見込まれており、ドムブロフスキス欧州委員会副委員長などは「長い夜になる」と語っていたと報じられた。だが実際にはわずか1時間で協議は打ち切りとなり、何らの成果も得られなかった。
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