今回のコラムでは、なぜ日本株が落ちそうで落ちないのか、つまり「なぜ底堅いのか」を考えていきたい。
まずは日本経済を見るうえで欠かせない物価の話から入って見よう。物価の動きを知るうえで代表的な指標は消費者物価だ。そこから、食料品など価格変動の大きな品目を除いた指標を「コア消費者物価指数」(CPI)といい、インフレなのかデフレ基調なのかを判断するのにつかわれる。
日銀は「物価がマイナス」になったら追加緩和をする?
さて、このCPIの4月の数値を見ると、前年同月比でプラスにはなったものの、+0.3%まで低下した。これは消費増税の分がなくなったからである。つまりこの3月までは消費増税で増税を実施していなかった2014年の3月と比べて押し上げられてきたが、4月からはそれがなくなった。さらに原油安などガソリン価格の押し下げが響き、前年同月比でみると、ゼロに接近したというわけだ。
5月以降は、原油価格が高かった前年からの反動で指数全体が押し下げられ、日銀が目標とする前年比ベースでのコアCPIは、当面ゼロ近傍での推移が続くとみられる。
それどころか、単月でみるとコアCPIが小幅マイナスまで低下する場面があるかもしれない。それをもって、日本銀行の金融緩和は失敗しているなどの批判が聞かれるかもしれないし、コアCPIがマイナスとなることを理由に、日本銀行が追加金融緩和に踏み出すとの見方も根強い。
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