「円安は日本経済に悪影響」というのはウソだ

恩恵を受けているのは本当に輸出企業だけ?

円安は結局、日本経済にとってプラスなのかマイナスなのか(銀座のファンケルで化粧品をガッツリ買う外国人観光客、写真:AP/アフロ)

アベノミクスが始動してから1ドル70円台だった超円高が修正されて、2014年末には1ドル120円付近まで円安が進んだ。2015年になって円安のペースは緩やかになっているが、円安ドル高のトレンドは続いている。

根強い「円安は日本経済に悪影響」説

6月10日に、黒田東彦日本銀行総裁が、国会審議中にこれ以上は円安が進まないかのような発言をしたことで、円安基調が変わるとの疑念も浮上した。だが、19日に黒田総裁は日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、10日の発言はそうした趣旨ではなかったことを強調した。もし現行の金融緩和強化を続けることでさらなる円安が進んでも、日銀は特に問題視しないとみられる。

一方で、現在の120円台まで進んだ円安は日本経済のデメリットになりつつあるとの懸念もある。円安による原材料価格上昇、あるいは生活必需品の価格上昇によって個人消費活動が抑制される側面を強調する見方である。

もちろん、円安によって、価格競争が高まる一部の製造業に恩恵が及ぶ点を重視する視点もある。だが円安の恩恵を受けるのは輸出企業に限られ、それと関係ない多数の日本人にプラス面は及ばない、との批判は根強い。円安が資源配分の歪みをもたらし、中長期的には日本経済にとって弊害という主張だ。

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