今の日本株は割安なのか?
日経平均株価は、毎日のアップダウンはあるものの、このところ2万円台で推移している。市場コメント風には「2万円台を固めた」などと称するところだが、もちろん株価に「岩盤のような支え」が本当にあるわけではない。
東証1部の平均PERは(株価収益率)は今期予想基準で約17倍、前期実績基準で約19.6倍と、「これ以上上がると高そうだが、直ちに警戒を要するレベルではない」というくらいの水準だと思われる。
歯切れが悪くて恐縮だが、株価高低の判断が曖昧になる大きな原因の一つは、日銀の大量購入によって長期金利が人為的低水準に維持されて、「自然な金利」がわからなくなったことにある。
日銀の購入がなければ、長期金利は少なくとも1%台、場合によっては2%絡みでおかしくない経済環境だ。加えて、公的年金資金と日銀が株式を大量に買っていることが「自然な株価」をわかりにくくしている。
ただ、大まかな感触として、株価は少なくとも「割安」ではなさそうに思える。筆者は、経済と株価の循環を時計の針の回転に喩えて説明することが多いが、日本の時刻はこれからバブルのゾーンに入る夜11時くらいで、イエレンFRB議長が株価に懸念を表明する米国は、ほぼ12時前後ではないかと考えている。
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