量的緩和は景気を悪化させる 求められる真の政策とは何か

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

量的緩和は景気を悪化させる。

私はまじめに言っている。そして、これは小幡績という主流派でない経済学者の奇をてらった見方ではない。なぜなら、これが20世紀の最も重要な経済理論に関する書物である、ケインズの一般理論のエッセンスであり、メッセージだからだ。

実は、バーナンキ(米FRB議長)ですら、この事実に部分的に気づいており、賢明な白川方明総裁は、よく分かっている。

整理して考えてみよう。

量的緩和を行わざるを得ない状況とは、金利は極限まで下がっているということである。実質ゼロ金利のとき、銀行などの金融機関を含む投資家には(銀行とは投資家であることを忘れてはならない)、手元の資金の活用手段として、二つの選択肢がある。それは、実物市場に投資するか、証券市場に投資するかだ。

実物投資と証券投資の違いとは

実物市場に投資をすると、その資金は、企業への融資などの形をとり、設備投資などに回ることになる。設備投資とは、必ずしも機械でなくともよく、ビジネス拡大のための投資であればいい。人を雇う場合もあるだろう。したがって、この結果、実物市場での需要がもたらされる。人を雇う場合が、一番望ましく、その場合は雇用も増え、その雇用所得の増加が消費に回り、景気が良くなる。

次ページ実物投資の資金は設備投資へ。では証券投資は・・
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT