日経平均株価の「当面の底値」を教えよう 8日の相場は638円安、今年最大の下げ幅に

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日経平均株価は638円下落、今年最大の下げ幅に。今後はどうなるのか(ロイター/アフロ)

8日の日経平均株価は638円安と今年最大の下げ幅を記録。一気に2万円割れとなり、5月中旬以来の水準まで下落しました。ギリシャのユーロ圏からの離脱懸念に加え、中国政府の強力なテコ入れでも下げ止まらない中国株の影響が、2万円割れに強く影響したとみています。

6月に市場で注目を集めた、トヨタ自動車(種類株の発行)やソニー(公募増資の発表)の株価はダブルトップ(相場の天井を示すチャートのパターン)を形成していたので、それに続く日経平均の2万円割れは、調整が深まるサインと受け止めることもできそうです。

日経平均の当面の下値メドは1万9320円でいいのか

日経平均は短期的には26週移動平均線(1万9320円、7月8日現在)が下値メドとなりますが、問題は景気と企業業績がどうなっているかです。世界景気が落ち込まなければ、ギリシャ問題や中国株の暴落は結果的に一時的に過ぎない悪材料となり、絶好の買い場になるでしょう。

逆に、ギリシャや中国株の暴落がクローズアップされるだけでなく、実は景気が悪化し始めているのであれば、株価の当面の調整は避けられず、2007年の高値(1万8300円)を中心に1万8500円~1万8100円まで下落余地が広がる可能性が高まります。

ITバブル当時は高値からいったん売りが落ち着くまで、5000円程度下落しましたし、2007年高値からも3000円前後下げた経緯がるため、今回もあっても不思議ではない調整幅です。

しかし、筆者が最も知っていただきたいことの一つは、日経平均は2007年高値(1万8300円)を上回り、そこから半年も経たないうちに、2000年のITバブル当時に付けた高値(2万0833円)を上抜けたということです。8日の相場は大きく下落しましたが、今回の長い上昇相場で、この強気サインが発生したことを決して忘れてはいけません。

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