日経平均株価の「当面の底値」を教えよう 8日の相場は638円安、今年最大の下げ幅に
どういうことかというと、2000年のITバブル時代や2007年当時の高値からの調整は、1989年の平成バブルの高値(3万8915円)からの大きな調整局面にあったため、決してすぐに買ってはいけない押し目だったのです。
しかし、今回は平成バブル崩壊後の大きな下落相場が終了したことを確認(2007年高値を上抜けたこと)したあとなので、短期的には株価は調整に移っていくとしても、中期では、そこは押し目買いの好機となる可能性は少なくありません。「本当にそうなのか」という読者の方々がいらっしゃるのはもちろん理解できますので、こういう考え方があることだけは記憶にとどめていただきたいのです。
株価が当面の底をつけるのはいつか?
今回の下落に関しては、兆候がなかったわけではありません。そもそも、6月から時価総額が大きな大型株の動きには統一性が薄れていました。上昇相場では一般的に大抵の大型株は同じ方向を向いているケースが多いのですが、大型株の中でも下げ渋っていたものと、下落に転じたものに分かれていたことが気掛かりでした。
それは売買シェアで60%超を占める海外投資家が6月に入って日本株を売り越したことが主な要因なのですが、キヤノンやファナックなどの動きをみれば明らかで、売りは輸出大型株にやや偏っていたようです。
逆に足元の下落は、銀行やノンバンク、保険など内需大型株の下げが目立ちます。ようするに、海外投資家と思われる内需大型株を売る動きがいつ止まるかが焦点なのです。
海外の投資家は、先に輸出大型株を売って、そのあとで内需大型株を売っているわけですから、先に安値を付けるのは輸出大型株の方でしょう。筆者としては、トヨタ自動車の株価でいえば、7500円~7600円付近が一つの買い場になるとみています。また大型株全体で指数が持ち直るには、次に遅れて落ちてきている内需大型株が安値を付けるタイミングを捉えればよいでしょう。
例えば、三菱UFJフィナンシャルグループでいえば、770円前後とみています。中国株の中間反騰(大きな下落相場の途中での反発局面)で、目先は日経平均が持ち直す場面はあるかもしれません。しかしこの局面では、慌てずじっくり押し目を待つスタンスが重要です。
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