OpenAIの内部関係者グループが、史上最強のAIシステムの構築を目指して疾走するこのサンフランシスコの人工知能(AI)企業には、無謀で秘密主義的な文化があると告発している。
OpenAIの現役社員と元社員9人を含むこのグループは、AIシステムが危険なものになるのを防ぐのに同社は十分な対策を講じていないという共通の懸念を抱える関係者によって最近結成された。
メンバーによれば、非営利の研究機関としてスタートし、2022年のChatGPTのリリースで世間の大注目を浴びたOpenAIは、汎用人工知能(AGI)の構築に向けた取り組みで、企業の利益と成長を優先させているという。AGIとは、人間ができることなら何でもできるコンピュータープログラムを指す業界用語だ。
強硬戦術で従業員の懸念表明を封殺
OpenAIはさらに、強硬な戦術を使って社員による懸念の表明を阻止していると同グループは主張する。
「OpenAIはAGIの構築に意気揚々と取り組んでおり、その先頭に立とうと無謀に突き進んでいる」。OpenAIのガバナンス部門の元研究者で、グループのまとめ役の1人であるダニエル・ココタジロはそう述べている。
グループは4日に公開書簡を発表し、OpenAIをはじめとする大手AI企業に対し、透明性の向上と内部告発者の保護強化を求めた。