3日間で怒濤の展開「OpenAIクーデター」の顛末 寝耳に水のマイクロソフトは思わぬ獲物を得た

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
OpenAI元CEOのサム・アルトマン氏
OpenAIのCEOを突如解任されたサム・アルトマン氏。マイクロソフトに移籍し、新たなAIチームを率いるという(撮影:尾形文繁)

テクノロジー業界でこの1年、最も注目された企業であるOpenAIのトップ解任劇は、この週末の間に怒濤の展開をみせ、月曜日を迎える直前にひとつの結論を迎えた。

11月17日の金曜日、OpenAIの取締役会がサム・アルトマンCEOを解任したという驚きのニュースが明るみになると、次から次に新たな事実、動きが明らかになり、さながらサスペンスドラマのような展開を見せた。

そしてアメリカ太平洋時間の11月20日夜、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは自身のX(旧ツイッター)上で、同社がアルトマンを雇用し、従来のAI部門とは別に、先進的なAIを研究開発するチームを設立すると明らかにした。

周知の通り、マイクロソフトはOpenAI最大の支援者だ。100億ドルを超える資金を提供し、OpenAIが開発する最新のソースコードにアクセスする権利を保有している。

特殊な組織構造が生んだ解任劇

この数日間で、マイクロソフトは生成AI分野におけるキーマンを確保して有望な研究開発チームを立ち上げる判断に至った一方、OpenAIはクーデターに失敗したうえで、業界での求心力をも失ったように見える。

いったい何が起き、これからさらにどんな展開が想定されるのか。流動的な状況ではあるが、ここに至るまでの情報を整理してみることにしよう。

ことの顛末を理解するには、まずOpenAIという組織の特殊性について知る必要がある。

次ページマイクロソフトも寝耳に水だった理由
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事