一部メディアが、加害者家族を苦しめている

加害者家族のプライバシーも保護されるべき

加害者家族には、守られるべきプライバシーはないのだろうか(写真:jaraku/PIXTA)

前々回の『絶歌』元少年Aの犯罪、原因は母親にあった?は、多くの人に読んでいただきました。Aの身近にいた人にできたであろうことを、後付けで考えたものでしたが、私の力不足から、加害者の両親だけを批判しているように解釈された方がおられ、深く反省しています。

一般的に、凶悪犯罪加害者の家庭には、「死んで詫びろ」「殺人鬼の製造者」などと、あおりや差別発言で中傷する手紙や電話が殺到するそうですが、多くの場合でこれは不当です。ある日突然、犯罪加害者の家族になって動転し、針のむしろに座らされた人たちに執拗に追い打ちをかけるのは、人としてとても恥ずべき行為です。彼らは、被害者以外の第三者から何と非難され誹謗中傷されようと、反論できない立場にあるのです。

親が思うように子が育つのであれば、世の中は湯川秀樹博士やビル・ゲイツだらけになります。ネグレクトされて育った子どもさんが立派に育ったり、親が手塩にかけて育てた子どもが犯罪者になったりするのが現実です。犯罪に至る原因には、いくつもの要素や不運が重なるわけで、加害者家族を責める資格は誰にもありません。

自殺に追い込まれる家族

2014年7月の佐世保女子高生殺人事件でも、加害者の父親が自殺に追い込まれました。加害者の女子高生は、心に障害を持っていました。親は一緒に精神科に通い、入院治療を希望しましたが実現せず、「放置すれば人を殺す可能性がある」という精神科からの通報は、児童相談所の幹部に揉み消されていました。事件発生当初、加害少女の父親は「生きていてよいのでしょうか」と言っておられたそうです。生きて、被害者への償いと少女の更生に寄り添う決意をしておられたそうですが、プライバシーに関してあることないことを書かれたことが、彼を自殺に追い込んだようでした。

加害者家族を、第三者が死に追いやるほど非難するのは、筋違いです。「死んでお詫びした」か「あの世へ逃げた」加害者の父親を非難することは簡単ですが、言葉の暴力で死に追い込んだ(もちろん、それだけが原因ではないかもしれませんが)人たちが、何の問題にもされないのは明らかにおかしいことです。

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